2014年9月7日日曜日

英国オックスフォード大学留学 第2回


英国オックスフォード大学留学の第二回になります。前回に続き、山田倫大さんに今回はオックスフォードでの生活についてご紹介していただきます。留学においては勉学だけでなく、生活環境も非常に重要です。それではお楽しみください。
 

2. オックスフォードでの生活

オックスフォード大学のあるオックスフォード市は、イングランド中央部のやや南部、ロンドンから北西に列車で1時間ほどの距離に位置しています。オックスフォード大学に世界中から集まってきた学生や学者を中心とした学問の街であり、実際に約14万人の人口の1割をオックスフォード大学の学生が占めます(プログラムに依ってはオックスフォードに住む必要がないため、在籍学生の数に対して市内の学生の数は少なくなっています)。また、歴史的な建物や伝統的な文化を魅力とする観光都市としても世界的に知られており、週末は観光客で大いに賑わっています。これまでの滞在経験に基づいて、オックスフォード(及び英国)の生活環境について簡単に描写したいと思います。

2.1.食事

まず美味しくないことで有名な英国の食事についてですが、残念ながらこれはある程度事実です。(もし英国の方が今この記事を読んで下さっているとしたら申し訳ありません。しかし話してみると、英国の人々自身も「英国料理は駄目だね」とあっさり認めることが多く、それを楽しんでいる様子さえ見受けられます。ゆえに、ここに書くことが国際問題に発展することはないと判断し、話を続けたいと思います。)

英国人にとって食事は楽しむものというよりもお腹を満たすものであり、それ程こだわりがないようです。そのため手間暇をかけて料理をするということに価値を見出せず、食文化もあまり発展しなかったらしいのです。それに加えて、こちらの人々は味付け、とりわけ塩味に鈍感であるとも言われます。確かに売店で買うサンドイッチ、食堂で頂くローストチキン、スーパーマーケットで手に入るお惣菜など、味付けのはっきりしない、というよりもむしろ味付けのない食事をいくらでも体験することができます。また英国では基本的に野菜はその歯ごたえがなくなるまで徹底的に煮ます。シャキシャキとした歯ごたえも鮮やかな彩りも(そしておそらく栄養素のかなりの部分も)失ってしまった野菜から見出せる魅力を自分はあまり知りません。

また、基本的に英国料理は大皿に野菜や肉などをドカドカとまとめて盛るため、見た目に楽しめるということもそれ程ありません。とは言うものの、英国料理の中にもグレイービーソースのかかったサンデーローストやパイ料理など、美味しいと感じるものも存在
します。さらに言えば、留学生が数多く集まるオックスフォードにはフランス・イタリア・スペインなどの欧州諸国の料理から、中華・インディアン・タイ料理まで各国の味を提供するレストランが散在しています。ゆえに経験を重ね、“当たり”の料理を見極められるようになれば、ある程度充実した食生活を送ることも可能なのです(また近年、英国で食事を大切にする風潮が高まってきたことにより、一昔と比べ状況はだいぶ改善されてきているようです)。

しかし例えばサンデーローストの値段は通常十数ポンド程‐日本円にして2000円以上もします。英国料理に限らず、オックスフォードでの外食は日本と比べ、質に対する価格が割高であることがほとんどです。昼にサンドイッチを買うと4-5ポンド(約700-850円)程、
カフェなどでドリンクとともに軽食を取ると日本円にして1000円以上の出費となります。比較的リーズナブルなアジア系のレストラン(中華料理やタイ料理)でも最低1品7ポンド(約1200円)程度します。それ程高級でないレストランでも夕食では1品10ポンド強から20ポンド弱程度かかるため、アルコール類も注文すると、1回の食事で30ポンド(約5000円)近く支払うということも珍しくありません(特に男性は大変(?)ですね)。ゆえに学生は値段の安さが売りのカレッジの食堂のメニュー、もしくは自炊が中心となります。人によってはこちらの食事は合わないということもありますので、留学前に料理の練習をしておいた方がよいかもしれません。

2.2.住居

学生の多くはカレッジが所有する集合住宅に住みます。家賃の安さや立地の良さ、またカレッジのメンバーと頻繁に会うことができる、といった点が主な利点です。費用については、他のカレッジの事情を詳しく知らないので何とも言えませんが、日本の大学生が住む典型的な部屋の広さに対して、(家賃と光熱費を合わせて)月に500ポンド台が平均といったところでしょうか。円安のこともあり割高に感じます。

カレッジとは無縁の一般の不動産に住居を置く学生も珍しくありませんが、そのほとんどの場合、個室以外をハウスメイトとシェアする形式となります。そうでないと費用が高くなり過ぎるためです。

カレッジが用意する部屋でさえも質が非常に不均質であり、その選択には慎重にならなくてはなりません。日本では考えられないくらいシャワーやトイレの水圧が弱かったり、
一日中ほとんど日が差し込まなかったり、さらには湿気のためにカビのにおいが充満しているという部屋さえあります。

美しい建築物に囲まれた生活を送っていると、古い建物を大切にする英国人の気持ちが分かりますが、それでもやはり住宅設備の充実を望みます。

(第3回へつづく)



今回は生活についてご紹介していただきました。次回は生活の中でも特に気候、治安、余暇活動についてご紹介していただきます。ご期待ください。
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発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
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