2014年9月28日日曜日

英国オックスフォード大学留学 第3回

前回に引き続き、山田倫大さんにオックスフォード留学について語っていただきます。今回は、前回に続き生活についてです。イギリス留学を考えている方には非常に参考になる情報です。ぜひ参考にしてみてください。



2.3.気候

気候に関しては、夏は平均最高気温が約20度、冬は平均最低気温が約マイナス2度と、比較的過ごしやすいと言えます。しかし注意点として、夏場には時折30度近くとなる日があり、ほとんどの部屋に冷房が設置されていないため、日が直接差し込む部屋などは暑くなり過ぎるということがあります。このような場合、住人は研究室や図書館、カフェなどに避難しているようです。また、曇りがちで雨の多い気候も特徴的です。何日間も雨が降り続けるというよりも、天気が変わりやすく、どんよりとした曇りの中断続的に雨が降ります。店に入ったときは晴れていたのに数分後に外に出たら雨が降っていたということが珍しくありません(そしてその店が雑貨店の場合、傘を購入することになります)。そのため、こちらでは雨が降っていても傘を差さない人が多く、留学生や観光客との区別が容易です。

英国の特殊な天候は世界的にもよく知られているようで、「英国人は天気の話題が大好きである」と言われ、さらに「英国に観光客が多いのは独特の天気を体験するためである」というジョークまで存在します。しかし晴れの日もそれ程珍しくはなく、特に春から夏にかけての季節は気持ちの良い日が多いです。日本の梅雨や蒸し暑い夏を考えると、一年を通してこちらの方が過ごしやすいと言えるかもしれません。また雨や曇りの日が多い環境はどうしても自宅で鬱々と考え事をすることにつながり、それが英国の学問や文学の輝かしい地位を築き上げた要因の1つであると考える人もいます。学問の街オックスフォードにとって、この気候はむしろ強みと言えるのかもしれません。

2.4.治安・人種差別

学生の街ということもあり、比較的治安のよい場所であると言えます。大学院生の半数以上を留学生が占めるという国際的な環境もあり、あからさまな人種差別を受けたこともありません(逆に日本人は珍しいため、様々な機会に興味を持って話しかけてもらえることも多いです)。

2.5.余暇活動

オックスフォードは比較的小さな街であり、ロンドンのような大都市ならではの大規模なショッピングエリアや劇場といったものはありません。しかし大学と街が混在しているため、学生が徒歩で行ける距離にレストランやパブがあります。友人と気軽に食事に出かけることのできる環境は嬉しいです。オックスフォードには歴史のあるパブがいくつもあり、特に週末の夜は人々で大いに賑わいます。

また小規模ながら劇場や映画館も存在し、コンサートやオペラ、バレエなどが定期的に上演されます。特に英国の大建築家クリストファー・レンが設計した美しいシェルドニアン・シアターでは、頻繁にクラシックコンサートが開催されています。また、多くのカレッジがそれぞれの聖歌隊を持ちますが、そのレベルは非常に高く、美しい礼拝堂の中でその歌声を聴くというのは特別な体験です。このような環境の中、芸術に親しむ友人が周囲にいることもあり、こちらに来てから自分にとっても芸術がより身近なものとなりました。

オックスフォード大学では学生のクラブ活動も盛んであり、サッカーやラグビー、クリケットなどのスポーツから、乗馬やバレエ、各種ダンスや射的など、枚挙にいとまがありません。殊にrowingと呼ばれる漕ぎ船競争は有名であり、厳しい選抜とトレーニングを潜り抜けた代表選手は、ケンブリッジ大学と熾烈なライバル競争を繰り広げます。文化的なクラブ活動も多く、例えば知人の影響を受けた自分は、最近ワインテイスティングイベントに顔を出すようになりました。またオックスフォードに来てから、スーツや(日本では一度も来たことのなかった)タキシードを纏うような社交の場に出席する機会が多くなりました。先述のフォーマル・ホールはその典型です。さらに各カレッジは数年に1回ほど、ballと呼ばれる大規模なパーティーを盛大に開催します。ballでは豪勢なコース料理に始まり、コンサートやダンス、さらにはカジノなどが夜通し続き、参加者はこれを朝まで楽しみます。 たかが服装と侮ることはできません。歴史あるホールに正装を纏った紳士・淑女が集う晩餐会は、厳粛かつ華やかな独特の雰囲気を作り上げます。この特別な空間の中で人々の気持ちも高まり話にも花が咲くというものです。またこのような社交の場では、立ち振る舞いやマナーを学ぶよい機会でもあります。
第4回へつづく)


次回からはいよいよ山田さんが所属されているプログラムについてご紹介していただきます。名門オックスフォード大学のプログラムはどのようなものなのでしょうか?ご期待ください。

image courtesy of Serge Bertasius Photography
━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
発行責任者: 石井 洋平
編集責任者: 石井 洋平
━━━━━━━━━━━━━━━━━
にほんブログ村 海外生活ブログ 研究留学へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(アメリカ・カナダ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ)へ

0 件のコメント :

コメントを投稿