2016年5月16日月曜日

「留学生リレー日記」第11回 アメリカの洗礼

今週から3週間は海外生活で出会ったトラブルについてお届けします。タフツ大学の趙さんはアメリカへ渡航した直後から病院探しをしたとのこと。ひとつひとつのことに慣れていくまでは、たくさんのトラブルに出会いますね。

 
アメリカに到着したその翌日、私は病院探しに奔走していた。日本を出る直前にブヨに刺され、その部分が長時間のフライトによる血行の悪化で腫れ上がってしまったのだ。アメリカは医療費が非常に高いと聞いていたため心配したが、幸い大学が自動的に加入してくれていた保険が既に有効になっていたようで、大学の保健センターを訪ねたら無料で診療してくれた。

診療室に入り症状を簡単に説明する(ブヨの英単語は事前にバッチリ調査済みである)までは無事に済んだところで、身長と体重を聞かれ答えに詰まる。そう、アメリカでは単位がフィートとポンドなのだ。「分かりません。」と答えると看護師さんが苦笑いしながらその場で適当に測ってくれた。ブヨのことは知っていても自分のことを知らないのではどうしようもない患者である。

その後、処方された強めの飲み薬についてネットで調べてみるとアジア人女性の体型にしてはかなり多い量が処方されていた。結局その薬は放置して飲まず、その数日後、ブヨ刺されは無事治ったのであった。

このように病院に限らずとも、日本の細やかなサービスに慣れているとアメリカでトラブルになることが多々ある。電話がオペレーターに繋がるまで何時間もかかったり、書留郵便が配達されていなかったり。おもちを焼いていたら火災報知器を作動させてしまい、雪の中、消防士の点検が終わるまで待ったこともあった。こういったトラブルも後で考えると留学の楽しい思い出の一つなのかもしれない。


写真:火災報知機を作動させてしまい、消防士の点検を雪の中待つ。



留学生リレー日記
第1回 プロローグ(1) アメリカとドイツからこんにちは
第2回 プロローグ(2) じゃがいも&ドライブ&シェアハウス
第3回 大学紹介編(1) いざボストンへ
第4回 大学紹介編(2) 棚から...
第5回 大学紹介編(3) 星を眺めて、哲学にふける
第6回 大学紹介編(4) Q&Aその1
第7回 日常生活編(1) アイスホッケーはじめました
第8回 日常生活編(2) 心理的ハードルが低くなる
第9回 日常生活編(3) チョコとポテトは必需品
第10回 日常生活編(4) Q&Aその2
第11回 トラブル編(1) アメリカの洗礼
第12回 トラブル編(2) ビザが届かない!
第13回 トラブル編(3) 自分が持てる分だけ、買おう
第14回 エピローグ 私にとって留学とは、将来への展望


執筆者プロフィール

  趙 雪薇 (ちょう ゆきばら)
タフツ大学 生物医療工学科の大学院1年生 修士卒業後に渡米
研究内容は細胞外小胞を用いた細胞のリプログラミングへの応用
  滋井 康人(しげい やすと)
テキサスA&M大学 海洋学科大学院1回生 大学院卒業後就職し、社会人留学
構造地質や堆積学等、地質学の習得を目的として留学
川口 雄久(かわぐち かつひさ)
チュービンゲン大学 International Max-Plank Research School of Neural & Behavioral Sciences 博士課程1年目 学部卒業後に渡独、修士修了
研究内容は、セロトニンの視覚情報処理における役割

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