アメリカに到着したその翌日、私は病院探しに奔走していた。日本を出る直前にブヨに刺され、その部分が長時間のフライトによる血行の悪化で腫れ上がってしまったのだ。アメリカは医療費が非常に高いと聞いていたため心配したが、幸い大学が自動的に加入してくれていた保険が既に有効になっていたようで、大学の保健センターを訪ねたら無料で診療してくれた。
診療室に入り症状を簡単に説明する(ブヨの英単語は事前にバッチリ調査済みである)までは無事に済んだところで、身長と体重を聞かれ答えに詰まる。そう、アメリカでは単位がフィートとポンドなのだ。「分かりません。」と答えると看護師さんが苦笑いしながらその場で適当に測ってくれた。ブヨのことは知っていても自分のことを知らないのではどうしようもない患者である。
その後、処方された強めの飲み薬についてネットで調べてみるとアジア人女性の体型にしてはかなり多い量が処方されていた。結局その薬は放置して飲まず、その数日後、ブヨ刺されは無事治ったのであった。
このように病院に限らずとも、日本の細やかなサービスに慣れているとアメリカでトラブルになることが多々ある。電話がオペレーターに繋がるまで何時間もかかったり、書留郵便が配達されていなかったり。おもちを焼いていたら火災報知器を作動させてしまい、雪の中、消防士の点検が終わるまで待ったこともあった。こういったトラブルも後で考えると留学の楽しい思い出の一つなのかもしれない。
写真:火災報知機を作動させてしまい、消防士の点検を雪の中待つ。
留学生リレー日記
第1回 | プロローグ(1) | アメリカとドイツからこんにちは |
第2回 | プロローグ(2) | じゃがいも&ドライブ&シェアハウス |
第3回 | 大学紹介編(1) | いざボストンへ |
第4回 | 大学紹介編(2) | 棚から... |
第5回 | 大学紹介編(3) | 星を眺めて、哲学にふける |
第6回 | 大学紹介編(4) | Q&Aその1 |
第7回 | 日常生活編(1) | アイスホッケーはじめました |
第8回 | 日常生活編(2) | 心理的ハードルが低くなる |
第9回 | 日常生活編(3) | チョコとポテトは必需品 |
第10回 | 日常生活編(4) | Q&Aその2 |
第11回 | トラブル編(1) | アメリカの洗礼 |
第12回 | トラブル編(2) | ビザが届かない! |
第13回 | トラブル編(3) | 自分が持てる分だけ、買おう |
第14回 | エピローグ | 私にとって留学とは、将来への展望 |
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