2019年12月30日月曜日

連載「留学準備やその他人生に影響を与えたメディア」第3回:松澤琢己

こんにちは!皆様、良い年の瀬をお過ごしでしょうか。
連載企画「留学準備やその他人生に影響を与えたメディア」第3回担当の松澤です。
私は米大学留学→米大学院というルートを辿ったのですが、その決断の裏で参考にしたメディアをご紹介致します。


1. 大学留学編(米国)
 『理系大学院留学を読んで基礎知識を付けたら、現地情報に触れましょう。留学に必要な書類や難易度に自分の認識と差異がないかを確認します。

 ○ 現地からの基礎情報: U.S. News- Education
 USNewsは大学選びに必要な情報が網羅されている最もスタンダードなサイトです。加えて参考になったのは、NSFが発表しているSTEM分野の博士の出身大学リストです。これは2つに大別できて、①大規模研究大学②優良リベラルアーツ・カレッジとなります。STEM分野の多くで米大学はリードする存在ですが、その人材はいかに育まれるのでしょうか。それを考える時に、このリストは興味深い材料です。特に私の目を引いたのは、小規模教育であるリベラルアーツカレッジが研究型大学と引けを取らないことでした。

 ○ 先達の声その1:オックスフォードな日々
 身内になりますが、江口さんのブログは学部留学でするべきことが網羅されています!特に、研究者志望の若者が院からではなく学部留学するメリットを述べたこの記事は高校生や大学生に読んで頂きたいです。
 院留学に必要なものは研究経能力、推薦状、学力、言語力らに分けられますが、学部留学をするとこれらが手に入りやすくなる場合があります。院も同じ言語圏ならば、言語力は学力と並行してついてきます。研究経験も米では自分の意思次第で1年生からつけることができます。

 なぜ米では博士号取得者の少なくない数がリベラルアーツカレッジ出身なのでしょうか。そこは科学・人文学・芸術などの西洋的教養を幅広く少人数で学ぶ場です。本ブログでは佐久間さんが名門リベラルアーツカレッジでの奮闘を綴られていました。議論主体の授業で好奇心は強化され、関心はより多くの対象に向く。同時に批判精神が養われていく様を見ると、博士号取得者にリベラルアーツカレッジ出身者が少なくないのも頷けました。そうした佐久間さんの姿に感化されたのを覚えています。


2. 大学院留学編
 以下は現地で仲が良くなった教授達や友人から教えて頂いたもののみです。基本的に情報収集は留学先のメディアを利用しましょう。既に学部留学しており、同地域で進学する場合は地の利があります。情報量に制限はない上、疑問があれば現地の採用担当の教授に直接聞けることもあります。実はこういった時に、院生の方が内部情報を沢山教えてくれたりします。

 ○ 基礎情報(米の場合)
 大学院に限っては基準が曖昧なのでランキングに踊らされないこと。研究者からの評価、学生からの評価、世間からの評価は異なるので、研究分野を軸にリサーチすることが大事。科学系で僕がとても参考にしたランキングはこちら(NRC Ranking)研究者からの評価や学生からの評価などを自分で選んでランキングを見れるので便利です。少なくともSTEM分野では感覚的に一番まともなランキングだと思っています。後は、GradSchoolShopper.comでプログラムに関する基礎情報を集めましょう。
 ○ 情報交換GradCafe
 オファーやインタビューをもらった人達がその日にちと内容を知らせる掲示板。米大学院では大抵、複数回に分けて応募者にオファーを出します。これは第一ラウンドでオファーを出した応募者が他大学に流れそうな時に、残った候補者にオファーを出す為です。この掲示板ではリアルタイムで選考の様子を窺ったり、過去に合格した方々の簡単なプロフィールを確認できます。



3. 自分に影響を与えた本
思考の整理学ー 外山滋比古
 「考える」という所作を丁寧に教えている不朽の名著です。思考とは知識をつなげる所作以上のものですが、改めて文字に起こされてハッとさせられたのを覚えています。留学をしようか迷っていた時や留学後も、自分の思考に自信を持つことができたのはこの本のおかげな気がしています。

 ご冗談でしょう、ファインマンさんーRichard P. Feynman
 ファインマン博士は気さくな人柄で知られた物理学者でした。とてもコミカルなエピソード集は、創造性の大事さを如実に伝えています。新しいことを考えつくことはとても偉いんです。

以上、ご参考になりましたでしょうか?
カガクシャ・ネットでは今後も理系大学院留学に役立つ情報を発信してまいります。
来年もよろしくお願いいたします!

-----------------------------------------------------------------

 著者略歴:
 松澤 琢己(まつざわ たくみ)
 2016年、米カラマズー大学より学士号(物理・化学、最優秀
     物性物理学、高エネルギー物理学、計算論的神経科学の分野で研究
     フェルミ国立加速器研究所ではインターンとして従事。
 2017年、シカゴ大学より修士(物理)。
 2022年、博士号(物理)を取得予定。専門は流体力学。


━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 山田 勇介(旧姓:向日(むかい))
メールマガジンの登録と解除:
http://www.mag2.com/m/0000220966.html
ご連絡はこのメルマガに「返信」または以下のページから:
http://www.kagakusha.net/contact
友人・お知り合いへの転送は自由ですが、無断転載は禁じます。
転載ご希望の際は必ずご連絡ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━

2019年11月26日火曜日

連載「留学準備やその他人生に影響を与えたメディア」第2回:山田勇介

こんにちは!
連載企画「留学準備やその他人生に影響を与えたメディア」第2回担当の山田勇介です。
今回は、私の留学準備や人生に影響を与えたメディアをご紹介します。



1.アメリカ留学の基礎情報

アメリカ大学・大学院留学の基礎知識 (日米教育委員会著(*1)) 


アメリカの大学院留学に関する情報が集約されているウェブサイトです。
アメリカ留学の全体像を掴んだり重要なポイントを素早く理解するのにとても役立ちました。また、奨学金情報もまとめられており、アメリカ留学を考えられている方は必見だと思います。 




2.大学院留学の出願プロセス

理系大学院留学 (カガクシャ・ネット著(*2))


第1回で武田代表も紹介されていますが、「理系大学院留学」は2012~2014年に留学準備をしていた私にとっても、貴重な情報源でした。留学準備をする上で押さえておきたいポイント(Statement of purpose, recommendation letter, GPA, TOEFL, GRE, 資金面等)が網羅されており、アメリカ留学における不安を払拭してくれました。ちなみに私がカガクシャ・ネットのスタッフに志願することになったきっかけもこの本でした。 






3.先達の声

カガクシャ・ネットのブログ(*3) 


カガクシャ・ネットのブログも留学準備の際に非常に役に立ちました。留学資金の調達方法や志望動機書の書き方、試験(TOEFLやGRE)対策、研究室の探し方や教授へのコンタクトの取り方といった留学準備tipsが網羅されているウェブサイトは当時少なかったように思います。また、米国だけでなく、英国や欧州をはじめとした多国の大学院留学体験談も多く掲載されており、各国の教育制度を比較し、自分に合った留学先を選ぶ際にも役立ちました



4.もっと具体的な情報は...

留学先の言語で書かれたブログや記事(例えば *4) 


留学先の言語で書かれたブログや記事は、より具体的な留学情報を入手するのに最善の方法だと思います。留学先の言語に比べ、日本語での情報収集で手に入る情報にはどうしても限界があるでしょう。また、必要な情報を留学先の言語で入手する力は留学開始後にはほぼ必須となりますから、留学を始める前から海外のブログや記事をチェックする習慣をつけておくのがお勧めです。
(ちなみに、*4では次に挙げる「博士課程進学を決断する前に考えたい9つのこと」が紹介されています。心の準備があるのとないのとでは、スタートダッシュやその後に大きく影響してくるでしょうし留学後に後悔されないためにも、早い時点で一度目を通しておかれることをお勧めします。
  1. PhDプログラムに関する情報は自ら進んで入手せよ
  2. PhDプログラムは学部の単なる延長にあらず
  3. 学部とPhDの間に短いブレークを
  4. 学部と同じ専攻分野である必要はない
  5. 多様な研究オプションのあるPhDプログラムを選び、入学した最初の年にそれらについてリサーチせよ
  6. 「場所」はあなたが思っている以上に重要かもしれないが、「世評」はそうでもない
  7. 学部で身につけた時間管理能力をもっと伸ばす必要あり
  8. 研究スキルをその場(on-the-fly)で身につけていく心構えを
  9. 本当の意味での休日はない
特に、3~6は見落としがちなところでしょう。)




5.番外編

ショートショートシリーズ (星新一(*5))


「留学準備」からは随分と話が逸れますが…、
私の”カガクシャ”としての人生に影響を与えた本として、幼少のころに読んだ星新一(SF作家)のショートショートシリーズがあります。SF作品ではありますが、研究の原動力ともいえる「好奇心」を掻き立て、私を研究の道へと引き込んだきっかけの一つであったと、今振り返えると思います。 
 


URL一覧

*1 日米教育委員会 / アメリカ大学・大学院留学の基礎知識: 
 https://www.fulbright.jp/study/abc/index.html 

*2 カガクシャ・ネット / 理系大学院留学: 
 https://amzn.to/2Jv3w2O 

*3 カガクシャ・ネット / ブログ: 
 http://www.kagakusha.net/e-mag 

*4 : Andy Greenspon / 9 things you should consider before embarking on a PhD: 
 https://www.elsevier.com/connect/9-things-you-should-consider-before-embarking-on-a-phd

*5 : 星新一 / ショートショートシリーズ: 
 https://www.shinchosha.co.jp/writer/2744/ 


以上、参考になりましたでしょうか?
カガクシャ・ネットでは今後も理系大学院留学に役立つ情報を発信してまいります。
次号もお見逃しなく! 





著者略歴

 山田 勇介(やまだ ゆうすけ)(旧姓:向日(むかい))

 2014年3月   信州大学繊維学部 化学・材料系 応用化学課程 卒業
 2016年5月   ノースカロライナ州立大学大学院 繊維学専攻 修士課程 修了
 2016年6~8月  ヨークス株式会社カンボジア工場(現地法人)勤務
 2019年7月     ノースカロライナ州立大学大学院 繊維·高分子科学専攻 博士課程 修了
 2019年10月~  サンメディカル株式会社 研究開発部 勤務
 
 専門は、物性(特に繊維・高分子材料)と医療·エレクトロニクス分野における応用。
 カガクシャ・ネットでは副代表を務める。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 山田 勇介(旧姓:向日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Image courtesy of Daria Nepriakhina on Unsplash.com

2019年9月25日水曜日

連載「留学準備やその他人生に影響を与えたメディア」第1回:武田祐史

今月から連載企画「留学準備やその他人生に影響を与えたメディア」をお送りします。
第1回目の今回は、カガクシャ・ネット代表の武田祐史に影響を与えた本や動画を紹介してもらいます。

自分に影響を与えた本
武田祐史

今年はメルマガ担当スタッフにこんなお題を出しました:自分の留学準備やその他人生に影響を与えた本、ウェブサイト、その他メディアを紹介して、その理由を挙げてください。というわけで、言い出しっぺの私から書きます。


森毅
人生20年説(学士会のウェブサイト (*1) から読めます。)
小学生の時に森毅のエッセイ本を読んでしまったことが人格や思想の形成に(よくも悪くも)大きな影響を与えたのではないかと思っています。今でも同じ本を間違って2回買うくらいにはファンです。人生20年説とは、20年程度を一つの人生とみなし、その「人生」を輝かせた後は、生まれ変わったかのように新しいことをはじめることを勧めている話です。そのほうが長い一生が色鮮やかになっておもしろくなるように思います。また、少しくらい失敗しても次がある、大丈夫だと気の持ちようも変わってきます。


自伝
荻村伊知郎 (*2)、 松下浩二 (*3)、 川崎宗則 (*4)、 留学生活が順調に行くことなんてまれで、たいていの時期はうまく行かずに落ち込む毎日でした。そんなときに海外に挑戦したトップアスリートたちの自伝を読んで、身勝手にも彼らの姿に自分をだぶらせて勇気づけていました。
日本人以外の自伝的なエッセイで言うと、レイ・ダリオ (”Principles” 動画版 (*5) ) やファインマンにも影響を受けていると思います。


習慣づけ
昨年のブログで紹介した (*6) のでそちらを読んでください。デュヒッグは「習慣の力(The Power of Habit)」(*7) もおすすめです。


留学・キャリア
理系大学院留学 (*8) 留学準備のための本はこれと青谷先生の本 (*9) くらいしか当時はなかったので、その2冊を貪るように読みました。無事に留学が決まったら、カガクシャ・ネットのスタッフになっていて、数年後には増刷に伴いこの本の校正作業をやっていました。不思議!
研究留学のすゝめ (*10) カガクシャ・ネット元副代表の杉村さん (@RioSugimura) と書いた11章では大学院留学とポスドク留学を比較しています。いつから留学すべきか悩んでいる方は是非読んでみてください。この本の元になった雑誌の連載版 (*11) もまだ残っています。
Career opportunities in Biotechnology and Drug Development(*12) 企業に就職する前に読んだ本、会社にはどんなポジションがあって、どうやったらそこにつけるのかが書かれています。学生のうちにこういう本を一冊くらい読んでおいた方がいいと思います。


URL一覧




4. 川﨑宗則/逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法:https://www.amazon.co.jp/dp/B00QW83KL0/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

5. レイ・ダリオ/principles for successes by Ray Dalio:https://www.youtube.com/watch?v=B9XGUpQZY38

6. 武田祐史/留学準備にも役立つ習慣づけの方法:http://kagakushanet.blogspot.com/2018/08/blog-post.html

7. チャールズ・デュヒック/習慣の力(The Power of Habit):https://www.amazon.co.jp/習慣の力-Power-Habit-チャールズ・デュヒッグ/dp/4062184451


9. 青谷正妥/アメリカ大学院で成功を勝ち取る超★理系留学術:https://www.amazon.co.jp/アメリカ大学院で成功を勝ち取る超★理系留学術-青谷-正妥/dp/4759811516

10. UJA (海外日本人研究者ネットワーク)/研究留学のすヽめ〜渡航前の準備からキャリアまで:https://www.amazon.co.jp/研究留学のすゝめ-〜渡航前の準備から留学後のキャリアまで-UJA-海外日本人研究者ネットワーク/dp/4758120749

11.杉村さんTwitterアカウント:https://mobile.twitter.com/riosugimura?lang=en

12. 佐々木敦朗/連載版 研究留学のすヽめ:https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/ryuugaku/

13. Toby Freedman/Career opportunities in Biotechnology and Drug Development:https://www.amazon.com/Career-Opportunities-Biotechnology-Drug-Development/dp/0879698802


○ 武田さんにご質問がありましたら、カガクシャ・ネット宛にお気軽にご連絡ください。
 次回もお楽しみに!

-----------------------------------------------------------------


著者略歴:

 武田 祐史(たけだ ゆうじ)
 2016年にタフツ大学医療工学科にて学位を取得。ブリガム&ウィメンズ病院、ハーバードメディカルスクールにてリサーチフェローを務めた後、2017年からボストン郊外のバイオテックにて製剤設計の研究開発を行っている。
 カガクシャ・ネットのスタッフには2011年に志願。その後2015年からカガクシャ・ネット5代目代表を務め、「理系大学院留学」の第三刷改訂分、「研究留学のすゝ め」第15章 「大学院留学のすゝめ」を執筆。

 インタビュー記事: https://theryugaku.jp/1669/
 武田個人ページ: https://sites.google.com/site/yujistakeda/ 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 山田 勇介
━━━━━━━━━━━━━━━━━

2019年8月19日月曜日

海外大学院留学に役立つ情報 ~総集編~

今回のブログでは、海外大学院留学に役立つ情報をこれまでの配信記事からピックアップしてお届けします!これから留学を考えている方や現在留学中の方に役立つ情報を集約しています。

1. 留学準備編 

1.1. 英語学習

○ TOEFL、GRE対策にもなる、語彙の効率的な増やし方(執筆:小葦 泰治さん、配信:2010年) 

語源をベースとした英語学習法が紹介されています。
科学英語を効率よく覚える上で非常に役に立つと思います。
他には、Norman Lewis著のWord Power Made Easyも個人的におすすめです! 
記事はこちら


○ 大学院留学準備(執筆:日置 壮一郎さん、配信:2013年) 

普段の講義ノートを英語で取る、という独創的なアイデアを紹介されています。 

実は私もこれに近いことをしていました。私の場合は、教科書(例えばアトキンス物理化学のような原著が英語のもの)を大学院留学の2年くらい前から原著で読むようにしており、アメリカで博士号を取得する上でとても役立ったと思っています。原著は上下巻に分かれていない場合が多く持ち運びが大変ですが…(笑)。
記事はこちら


1.2. 奨学金/TA/RA/Fellowship 

○ 奨学金が奨学金を呼ぶ(執筆:杉尾 明子さん、配信:2008年)

『奨学金は、一つもらうと次がもらえやすくなるのよ』。
戦略的に奨学金をもらうには…?気になる方はぜひリンク先の記事をご覧ください! 
記事はこちら


1.3. 研究室選び

○ 駆け出し大学院生にとってのベストな研究室とは(執筆:杉井 重紀さん、配信: 2008年)

研究室選びに悩まれている方は是非ご覧ください! 
記事はこちら




2. 留学中に役立つ情報編 

2.1. 大学院生としての研究

○ 大学院生の論文発表について、大事なのは、「質より量派」or「量より質派」?(執筆:鈴木 太一さん、配信:2009年)

大学院生に必要な論文は量なのか質なのか。
あるいは…? 気になる方はぜひリンク先の記事をご覧ください! 
記事はこちら


2.2 困ったら...

○ 困ったときには相談してみよう(執筆:佐藤 修一さん、配信:2008年) 

「博士課程は長いし、年齢的にも自分のこと、家族のことでいろいろなことが起こりうるかと思います。… その時は、是非上司などに相談してみることを、私の経験からお奨めします。」
記事はこちら


3. 就職編

3.1. ポスドク

○ アカデミアで研究を続ける場合:良いポスドク先を見つける方法(執筆:杉井 重紀さん、配信:2009年)

ポスドク探しに関するTipsを紹介されています! 
記事はこちら


3.2. ファカルティ(大学教員)

○ アカデミア永久職獲得まで(執筆:今村 文昭さん、配信:2014年)

アカデミアでの永久職獲得に関する体験談(全6回の連載記事)です。
アカデミア就職を考えている方に是非おすすめです。 
記事はこちら


3.3. 企業

○ 大学院留学:Ph.D.所得後、アメリカで企業就職、そしてシリコンバレーで起業 (執筆:二村 晶子さん、配信:2007年)

アメリカで企業就職と起業についての貴重な体験談を綴られています! 
記事はこちら


○ さて、皆さまのお役に立つ情報は見つかりましたでしょうか?カガクシャ・ネットでは理系海外大学院留学に関する多くの情報・体験談を配信しています。他の記事も是非チェックしてみてください!

○ 次回もお楽しみに!




編集者略歴 山田 勇介(やまだ ゆうすけ)(旧姓:向日(むかい))

 2014年 信州大学繊維学部 化学・材料系 応用化学課程 卒業
 2016年 ノースカロライナ州立大学大学院 繊維学専攻 修士課程 修了 
 2016年 ヨークス株式会社カンボジア工場(現地法人)勤務
 2019年 ノースカロライナ州立大学大学院 繊維·高分子科学専攻 博士課程 修了 

 専門は、繊維材料の物性とエレクトロニクス分野における応用。 
 カガクシャ・ネットでは副代表を務める。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 山田 勇介(旧姓:向日)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Image courtesy of Green Chameleon on Unsplash.com

2019年3月11日月曜日

アメリカ大学院留学を振り返って

今回のブログでは、2017年1月から翌年5月までの約1年半アメリカのノースカロライナ州立大学(NCSU)大学院に社費留学をされていた安田徹さんに、留学先で得た経験を現在どのように活かされているのかについてお伺いしました。安田さんは現在、日本国内にて製紙用フェルトに関する研究や新製品開発に従事されています。
(是非、留学中にご執筆いただいた前回の記事も合わせて読んでみて下さい。)


○ アメリカでの留学経験を今どのように活かされていますか?
この度私は社内で選出されて、約1年5か月間アメリカに留学させて頂きました。留学の目的は大きく2つありました。1つが「グローバル人材の育成」、もう1つの目的は「繊維学の習得」であり、弊社が製造する製紙用繊維製品(製紙用フェルト、ワイヤー、カンバス)に関連のある繊維全般を学習し、理解を深めることでした。この留学は私の人生にとって貴重な経験になりました。

私は入社2年目から研究開発部に所属して製紙用フェルトに関する研究や新製品開発に従事しています。弊社の主力製品である製紙用フェルトはニードルパンチという技術で製造されるものであり、私は現在、主にこのニードルパンチとそれに用いられるフェルト針について研究を行っています。NCSUでは乾式および湿式のウェブ形成法やニードルパンチ、サーマルボンド、ケミカルボンド、スパンボンド、メルトブロー、エレクトロスピニングなどの不織布技術、さらに天然繊維、化学繊維、高分子について学習しました。NCSUで学んだこれらのことが、現在の業務において新製品開発や、実験計画を立てたり実験結果について考察する上で役立っていると感じています。また、今回の留学により英語能力も向上したと実感しており、頻度は多くはありませんが海外の取引先の担当者と英語を使ってコミュニケーションが取れるようにもなりました。


○ 留学を振り返って
アメリカでは何事も積極性が大切だと思いました。大学の先生方とコミュニケーションをとったり、友人を作ったりするには、自分から積極的に行動することが必要で、そうすることで留学がより充実したものになるのだと実感しました。

安田さん(後方にフェルトの走行テストマシン)


○ 留学前に知っておきたかったこと
カリキュラム、授業の内容、成績評価、教室の雰囲気、授業の履修方法、寮での生活、移動手段など留学先の大学に関すること全般、またアメリカの文化やマナーなど、事前に情報収集できるものはできる限り調べておけばよかったと思いました。


○ これから留学される方へ
不安はあると思いますが、留学の全ての経験が自分の財産になると思って楽しんで頑張って下さい。


○ 安田さんにご質問がありましたら、カガクシャ・ネット宛にお気軽にご連絡ください。

スタッフ急募のお知らせ
カガクシャ・ネットではスタッフを現在大募集中です。
すでに留学されている方もこれから留学しようという方も、座談会やメルマガ・ブログを通して、一緒に留学の輪を広げませんか?
(活動内容の例:企画立案、座談会の開催、メルマガ・ブログ記事の編集と配信、その他ネットワーキングなど。)
ご興味のある方は、staff-kagakusha@googlegroups.comまでお気軽にご連絡をお願いします!

○ 次回もお楽しみに!



著者略歴

 安田 徹(やすだ とおる)

 1984年11月15日生まれ(神奈川県横須賀市出身 )
 2009年3月 東京大学農学部卒業
    4月 日本フエルト株式会社入社
    10月 同社技術第3部
 2010年10月 同社研究開発部
 2017年1月 ノースカロライナ州立大学(NCSU)大学院 Wilson College of Textiles (旧 College of Textiles) 修士課程 入学
 2018年5月 同大学院卒業、修士号(Master of Textiles)取得
 2018年6月 日本フエルト研究開発部

・入社1年目は、得意先の製紙会社を定期訪問し製紙用フェルトに関する技術サービスに従事。
・2年目からは研究開発部にて製紙用フェルトに関する研究や新製品開発に従事。
・これまでの海外への渡航経験は一度(2012年に中国の上海に出張)。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 向日 勇介
━━━━━━━━━━━━━━━━━

2019年2月8日金曜日

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。今年のカガクシャ・ネットのスタッフからご挨拶を申し上げます。

代表 武田 祐史(たけだ ゆうじ)
所属:Phosphorex, Inc (ボストン郊外の製剤開発系CRO)
在米9年目になりました。PhDを取ってから早3年、留学準備をしていたのは10年前ということになりますが、当時に比べるとブログやTwitter、YouTubeなどからさらに容易に情報を手に入れられるようになったと思います。カガクシャ・ネットは留学を目指す人、留学中の人、留学を終えた人が交流する場であり続けたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

メルマガ・ブログ担当(副代表) 向日 勇介(むかい ゆうすけ)
所属:ノースカロライナ州立大学
博士課程5年目の今年は、論文執筆とディフェンス、就職先探しとやることが多いですが、一つ一つ確実にこなしていきたいと思います。

メルマガ・ブログ担当  古結 俊成(こけつとしなり)
所属:同済大学
昨年末にベルリンから上海に移り、同済大学で引き続きポスドク研究員をしています!メルマガで上海の情報を発信していきたいと思います。

座談会担当(副代表) 張本 哲弘(はりもと てつひろ)
所属:コロンビア大学
博士課程最初のプロジェクトは終盤にかかり、論文執筆に追われる毎日ですが、あまり気を張りすぎず今年も楽しく実験をして過ごせたらと思います。

座談会担当 小栗 直己(おぐり なおき)
所属:サセックス大学
英国の修士課程に忙殺されております。なんとか生き残っていきたいと考えています。本年も留学を目指す方のサポートをしていきたいと思います。

座談会担当 板谷 崇央(いたや たかひろ)
所属:京都大学
今年から留学をスタートさせる予定です。これから留学をする方、考え始めた方、切磋琢磨しながら一緒に頑張りましょう!

ウェブサイト担当 江口 晃浩(えぐち あきひろ
所属:日本マイクロソフト
昨年は結婚・就職・家購入と個人的にイベント盛りだくさんな一年でした。帰国して既に1年半となりますが、今年の5月にやっとオックスフォード大の卒業式に出席します。皆様にとっても充実した一年となりますように!


スタッフ急募のお知らせ
カガクシャ・ネットではスタッフを現在大募集中です。
すでに留学されている方もこれから留学しようという方も、座談会やメルマガ・ブログを通して、一緒に留学の輪を広げませんか?
(活動内容の例:企画立案、座談会の開催、メルマガ・ブログ記事の編集と配信、その他ネットワーキングなど。)
ご興味のある方は、staff-kagakusha@googlegroups.comまでお気軽にご連絡をお願いします!

━━━━━━━━━━━━━━━━━
カガクシャ・ネットワーク http://kagakusha.net/
(上記サイトでバックナンバー閲覧可)
発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 向日 勇介
━━━━━━━━━━━━━━━━━