2019年3月11日月曜日

アメリカ大学院留学を振り返って

今回のブログでは、2017年1月から翌年5月までの約1年半アメリカのノースカロライナ州立大学(NCSU)大学院に社費留学をされていた安田徹さんに、留学先で得た経験を現在どのように活かされているのかについてお伺いしました。安田さんは現在、日本国内にて製紙用フェルトに関する研究や新製品開発に従事されています。
(是非、留学中にご執筆いただいた前回の記事も合わせて読んでみて下さい。)


○ アメリカでの留学経験を今どのように活かされていますか?
この度私は社内で選出されて、約1年5か月間アメリカに留学させて頂きました。留学の目的は大きく2つありました。1つが「グローバル人材の育成」、もう1つの目的は「繊維学の習得」であり、弊社が製造する製紙用繊維製品(製紙用フェルト、ワイヤー、カンバス)に関連のある繊維全般を学習し、理解を深めることでした。この留学は私の人生にとって貴重な経験になりました。

私は入社2年目から研究開発部に所属して製紙用フェルトに関する研究や新製品開発に従事しています。弊社の主力製品である製紙用フェルトはニードルパンチという技術で製造されるものであり、私は現在、主にこのニードルパンチとそれに用いられるフェルト針について研究を行っています。NCSUでは乾式および湿式のウェブ形成法やニードルパンチ、サーマルボンド、ケミカルボンド、スパンボンド、メルトブロー、エレクトロスピニングなどの不織布技術、さらに天然繊維、化学繊維、高分子について学習しました。NCSUで学んだこれらのことが、現在の業務において新製品開発や、実験計画を立てたり実験結果について考察する上で役立っていると感じています。また、今回の留学により英語能力も向上したと実感しており、頻度は多くはありませんが海外の取引先の担当者と英語を使ってコミュニケーションが取れるようにもなりました。


○ 留学を振り返って
アメリカでは何事も積極性が大切だと思いました。大学の先生方とコミュニケーションをとったり、友人を作ったりするには、自分から積極的に行動することが必要で、そうすることで留学がより充実したものになるのだと実感しました。

安田さん(後方にフェルトの走行テストマシン)


○ 留学前に知っておきたかったこと
カリキュラム、授業の内容、成績評価、教室の雰囲気、授業の履修方法、寮での生活、移動手段など留学先の大学に関すること全般、またアメリカの文化やマナーなど、事前に情報収集できるものはできる限り調べておけばよかったと思いました。


○ これから留学される方へ
不安はあると思いますが、留学の全ての経験が自分の財産になると思って楽しんで頑張って下さい。


○ 安田さんにご質問がありましたら、カガクシャ・ネット宛にお気軽にご連絡ください。

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カガクシャ・ネットではスタッフを現在大募集中です。
すでに留学されている方もこれから留学しようという方も、座談会やメルマガ・ブログを通して、一緒に留学の輪を広げませんか?
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○ 次回もお楽しみに!



著者略歴

 安田 徹(やすだ とおる)

 1984年11月15日生まれ(神奈川県横須賀市出身 )
 2009年3月 東京大学農学部卒業
    4月 日本フエルト株式会社入社
    10月 同社技術第3部
 2010年10月 同社研究開発部
 2017年1月 ノースカロライナ州立大学(NCSU)大学院 Wilson College of Textiles (旧 College of Textiles) 修士課程 入学
 2018年5月 同大学院卒業、修士号(Master of Textiles)取得
 2018年6月 日本フエルト研究開発部

・入社1年目は、得意先の製紙会社を定期訪問し製紙用フェルトに関する技術サービスに従事。
・2年目からは研究開発部にて製紙用フェルトに関する研究や新製品開発に従事。
・これまでの海外への渡航経験は一度(2012年に中国の上海に出張)。

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発行責任者: 武田 祐史
編集責任者: 向日 勇介
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